本公演は終了致しました
多数ご来場頂きありがとうございました


鬼才 川村 毅の新作戯曲「クリオネ」第一幕・第一稿を
3グループにより試演いたします


 


- リーディング公演 -
15 : 00 16 : 00 18 : 00
1(土)
2(日)
- 公演 -
15 : 00 16 : 00 19 : 00
7(金)
8(土)
9(日)
14(金)
15(土)
16(日)
21(金)
22(土)
23(日)
28(金)
29(土)
30(日)
*開場は上記開演時間の20分前となります
A=文学座有志 他
B=日大芸術学部演劇学科有志 他

C=第三エロチカ 他
ご予約・お問い合わせ
サイ(株)  TEL 03-5375-1118 FAX03-5375-1116
第三エロチカ TEL 03-3344-3005 FAX03-3344-3051
(ティーファクトリー内)
前売取扱
チケットぴあ TEL 0570-02-9988 (Pコード 353-432)
イープラス        http://eee.eplus.co.jp/
サイマーケット雑貨売場  TEL 03-5995-2700
 
料金:3,500 円 全席自由(税込)
リーディング公演券 1,000 円
ABC組合せ3公演セット券 8,500 円
公演&リーディング公演セット券 4,000 円
*チケットぴあ、イープラスでは3,500円券のみの販売となります

  川村 毅
演出・脚本 川村 毅
出演(予定) 文学座有志
  香月 弥生・八十川 真由野・佐藤 淳・櫻井章喜
山谷 典子・外村 史郎・添田 園子・斉藤 祐一
星 智也・高野 智実
日大芸術学部演劇学科有志
  古宇田 譲・高升 裕一・水野 顕子
小林 杏耶・佐々木 悠佳・青木 康浩
若林 宏明・時枝 正俊・高 明希・南雲 史成
第三エロチカ
  笠木 誠・伊澤 勉・レシャード 真す美・ほり ゆり
哀藤 誠司・坂本 容志枝・三角 宗一郎・鈴木 優
鎌野 沙代・吉村 恵美子
制作 第三エロチカ
主催 サイスタジオ
(株)ティーファクトリー
http://www1.odn.ne.jp/info/t_factory/
協力 文学座企画事業部
日本大学芸術学部演劇学科



ワーク・イン・プログレス

 この公演は来年二月の本公演に向けてのワーク・イン・プログレス、すなわち途中経過報告です。現在日本において新作戯曲による上演がこのような過程を経て上演されることは珍しいですが、すでにヨーロッパではしばしば目にすることです。まずリーディングが行われ、作家もそのときの観客の反応を見て書きかえ、足し、削り、次第に照明などを入れてさらに発表し、再び作家、演出家、俳優は客席のリアクションを得、本公演につなげていこうというものです。「クリオネ 第一幕・第一稿」とはその作り方をやろうという試みであり、上演です。文字通り、一幕、そして私は常々随分と推敲の回数が多いのですが、あえて初稿を披露してしまおうということです。それで様々なリアクションを得て、二月への参考にしたいと思っています。リーディング、
ポスト・ショー・ディスカッションが東京に定着したように、このような新作戯曲を上演する上での手続き、過程が根づけば戯曲の可能性も広がるのではないかと思う次第です。
 さらに今回の上演はそれぞれ演劇環境の違う三グループが同じ台詞をいうという仕掛けもあります。多少混成にもなるとは思いますが、これによって交流を実現させ、日芸のみなさんは美しく育っていただき、俳優さんたちは各々新しい発見を得られることを希望します。
 とにかくまったく新しい試みなので正直なところ私にもまだ不明のところが多いのですが、
ワーク・イン・プログレスの新形式として注目していただければ幸いです。

川村 毅   


それは「ネオ・グラン=ギニョル クリシェ」

 1994年、梅雨の晴れ間、蒸し暑い午後。
 出がけにちょっとイヤなことがあって滅入った気分でもあり、猛々しい気分もあり... 妙にテンションを高ぶらせながら渋谷の雑踏に揉まれ、とあるビルへ向かいます。目的地はシードホール、第三エロチカによる「ネオ・グラン=ギニョル クリシェ」の観劇が目的です。
 未整理未消化の部分は有るものの、何かある... 何物?の興味を与えるに充分な熱を持った川村毅は、特異な劇団名と共に妙に気になっていました。
 ハラワタを放り出す様に投げかけてくる科白、えぐリ出される現在への痛烈なパンチとアンチテーゼ、舞台はいつものように熱を帯び猥雑な悲哀が滲みます。
 「なぜ私は、恐怖と残酷を介添えにした不幸の劇を書こうとするのか」と問い、答えは「現実の舞台上に出されるしかない」と突き放し「全て私自身に撥ねかえってくる」と結果を引き受ける潔さに感服するものの「これをもってメロドラマのクリシェと言い切ってしまうのか」と疑い、「しかし確かにメロドラマの原点に有るものは不幸ではあるけれど」と想い、発熱の劇中にどっぷりと浸かり揺さぶられます。
 ネオ・グラン=ギニョル三部作の流れの先は、映画「天井桟敷の人々」を彷彿とさせながら天に昇華して行くのかもしれない... などと考えながら、幾分涼しくなった雑踏の街を後にした頃には、持ちこんだブルーな気分は過去となり、川村毅には何かが有ると確信した記念すべき日となっていました。
 以来サイスタジオにおける第三エロチカのスタジオ公演は、ワーク・イン・プログレスの言葉を生み育て今回のウイークエンドシアター「クリオネ」へと繋がっています。
 10年の歳月... 人々の精神的土壌には危機的な大きな変化が感じられます。
 社会現象として表出される結果は、原因への推測を成り立たせる事が困難な状況です。現実は既に人の想像を越え、更に演劇的創造の域さえも越えたと言えるでしょう。 斯様な時代背景のもと川村毅の歳月は確実に積みあがり、真正面から見据えた視点は更に高く広がり俯瞰する視座へと移行したと感じます。
 鋭敏な触覚が予感する時代へのテーゼを内包し、新たなる試みである「クリオネ」のワーク・イン・プロブレスを期待しつつ、「ネオ・グラン=ギニョル」も観たいというノスタルジーにも似た欲望を抱く2004年晩春です。

サイスタジオ主宰 吉田 悦子